慰謝料に関するQ＆A

　慰謝料とは，精神的苦痛に対する賠償の費目です。

　慰謝料には，傷害慰謝料（入通院慰謝料）と後遺障害慰謝料（後遺症慰謝料）の２種類があります。

　傷害慰謝料は，事故により怪我をして入通院せざるを得なくなったことによる精神的苦痛の賠償，後遺障害慰謝料は，後遺障害が生じたことによる精神的苦痛の賠償です。

　慰謝料の算定は，慰謝料の算定基準により算定されます。

　慰謝料の算定基準は，大きく分けて，自賠責保険基準，保険会社基準，裁判所基準があります。

　自賠責保険基準は，自賠責保険金の算定に際して使用される基準です。

　保険会社基準は，保険会社が独自に定めた基準です。

　裁判所基準は裁判所が使用する基準です。

　いずれで計算しなければならないものではありませんが，一般的に交通事故被害者にとっては裁判所基準が最も有利となることが多いです。

　自賠責保険基準では，慰謝料の額は，通院１日あたり４２００円（×２）として計算されます。

　実通院日数の２倍と通院期間の日数のいずれか少ない方の数字に４２００円を掛けて計算します。

　例えば，実通院日数１０日，通院期間３０日の場合，実通院日数１０日の２倍である２０日と通院期間３０日を比較します。

　実通院日数の２倍である２０日が，通院期間３０日よりも少ないため，２０日に４２００円を掛けた８万４０００円が慰謝料額となります。

　ただし，，令和２年４月１日以降に生じた交通事故については，上記と異なる基準で算定されることに注意が必要です。