人身事故と物件事故に関するQ&A

　人身事故扱いにしない場合，交通事故被害者が不利益を被ることもあるので，それを踏まえて人身事故扱いにするか物件事故扱いにしておくか判断するべきです。

　物件事故扱いとした場合，人身事故扱いとされている場合と比較して，どうしても交通事故自体が軽微である，怪我の程度が軽微であるとの印象を持たれやすくなります。

　そのため，相当な治療期間が短くされてしまったり，後遺障害等級認定がされにくくなったりする可能性があります。

　物件事故扱いとするか人身事故扱いとするかは，これらの不利益を踏まえたうえで慎重に判断するべきです。

　交通事故には，物件事故と人身事故の２種類がありますが，両者は様々な点で異なります。

　大雑把なイメージでいえば，人身事故は人が死傷した事故，物件事故は死傷は生じず物が損壊したのみの事故です。

　ただし，現実には，当事者が負傷していても物件事故扱いとなっていることもあります。

　人身事故とされると，加害者が刑事処分を受ける可能性がありますし，行政処分上大きな原点を受ける可能性もあります。

　また，人身事故の場合には実況見分が行われ，詳細な事故状況図が作成されますが，物件事故の場合は簡易な記録にとどまります。

　このように，物件事故と人身事故には違いがあります。