交通事故の治療費の打ち切りに関するQ&A
- Q保険会社から治療費の打ち切りと言われた場合どうしたらいいの?
- Q治療費支払い期間の延長をするためにはどうしたらいいの?
- Q治療費支払い期間が延長されない場合,どのように通院したらいいの?
- Q治療費支払延長可能性を上げるためにはどうしたらいいの?
- Q治療費の打ち切りに対して弁護士は何をしてくれるの?
- Q治療費の支払いを早期に打ち切られないためにはどうしたらいいの?
- Q転院すると治療費の支払が打ち切られるの?
- Q加害者側が治療費の支払いをしてくれない場合,どうしたらいいの?
交通事故の治療費の打ち切りに関するQ&A
Q保険会社から治療費の打ち切りと言われた場合どうしたらいいの?
A
保険会社から治療費の打ち切りと言われた場合,①治療を終了する,②治療費支払い期間の延長交渉をする,③保険会社からの治療費の支払いを受けずに通院を続けることが考えられます。
体も治ってきていて,そろそろ治療を終了しても問題ないという状況の方であれば,①の治療を終了するということを選択することもあります。
症状がまだあり,治療の継続を希望される方は,②治療費支払い期間の延長交渉をするか③保険会社からの治療費の支払いを受けずに通院を続けるかを選択することが多いです。
Q治療費支払い期間の延長をするためにはどうしたらいいの?
A
まずは,保険会社と交渉するべきです。
治療費支払い期間の延長交渉をする場合にポイントとなるのは,症状固定となっているか,要するに,治療を続けた場合に症状が良くなるのか,それとも一進一退の状態が続くのか,です。
時には,医師に症状固定に関する意見書を作成してもらうこともあります。
ご自身で交渉してみてもうまくいかない,ご自身で交渉するのが難しい,医師にどのような意見書を作成してもらえばいいかわからないという場合には,弁護士に相談するといいでしょう。
Q治療費支払い期間が延長されない場合,どのように通院したらいいの?
A
保険を使用して通院するか,自費で通院するかします。
治療費が,最終的に裁判等で必要かつ相当と認められるかは治療中にはわからないことが多いので,治療費が自己負担となることも視野に入れながら,対応を検討します。
自己負担をできるだけ減らすためには,労災保険や健康保険を使用したほうがよいですし,状況によっては,交通事故被害者の方が加入している人身傷害保険を使用することも考えられますが,治療内容に制限がかかることがある等デメリットもあります。
治療費の支払いをどうするかは,一概にどうしたほうがよいといえるものではありませんので,交通事故被害者の方がおかれた状況などを踏まえて慎重に判断する必要があります。
Q治療費支払延長可能性を上げるためにはどうしたらいいの?
A
比較的可能性の高い交渉の仕方としては,延長の期間を決めることです。
保険会社は終了時期のわからない治療費支払延長を嫌がります。
最終的にいくら支払わなければならなくなるかの見通しが全く立たないからです。
延長の期間が決められていれば,金額の見通しが立つため,比較的延長に応じやすいのです。
治療終了時期の目安は分からないことが多く,必ずしも使える方法ではありませんが,このような交渉をすることで治療費支払期間が延長されることもあります。
Q治療費の打ち切りに対して弁護士は何をしてくれるの?
A
治療費の打ち切りに対して,弁護士は治療費の支払い期間の延長交渉,以後の治療費の支払い方法に関するアドバイス,医師への意見書作成依頼,治療費の賠償請求等を行います。
具体的にどのようなことをするかは,交通事故被害者の方の通院状況,症状の状況,以後の治療に関する見込みなどの個別事情によって変わります。
弁護士に治療費の打ち切りに対する対応を依頼をする際には,具体的な状況と,どのように対応してほしいか,しっかりと伝えておくべきです。
Q治療費の支払いを早期に打ち切られないためにはどうしたらいいの?
A
当然の答えにはなってしまいますが,治療費の支払いが早期に打ち切られにくい状況を作っておくとよいです。
治療費の支払が早期に打ち切られる理由としては,①物的損害が軽微である,②高額の治療費がかかってしまっている,③治療期間が空いている,④医師が治療の継続に消極的である,などがあります。
治療費の支払いを早期に打ち切られないようにするためには,このような理由が生じないように,生じたとしても治療を継続するべき合理的な理由を説明できるように(ないしは医師などに説明してもらえるように)しておくべきです。
Q転院すると治療費の支払が打ち切られるの?
A
転院したからといって治療費の支払が打ち切られるわけではありません。
ただし,何度も転院を繰り返していると,治す気がない,自分の都合のよいように医師に不当な要求をしている等の誤解を受けてしまい,早期に治療費の支払が打ち切られる可能性があります。
治療上必要な転院は当然するべきですが,そうでない転院はできる限り控えておいた方が無難です。
Q加害者側が治療費の支払いをしてくれない場合,どうしたらいいの?
A
加害者側が治療費の支払いをしてくれない場合の対応としてはいくつかの方法が考えられます。
対応として比較的多いのは,相手方と交渉する,です。
交渉により支払いをする場合もあります。
他に,自賠責保険に請求する,人身傷害保険会社に請求する,仮払い仮処分の申し立てをする,訴訟や調停等のいわゆる裁判をする,等が考えられます。
どの手段をとるのがよいかは一概にはいえませんので,加害者側が治療費の支払いをしてくれない場合には,弁護士に相談するのがよいと思います。