むちうち

けがをする理由

 むちうちについても弁護士法人心にご依頼いただけます。

 むちうちは,その名のとおり,体がむちのようにしなって首に過剰な負荷がかかることで生じる傷害です。

 交通事故で追突された時等に生じることが多いです。

 追突されると,車両と共に体は前方に進もうとしますが,頭部はその場にとどまろうとするため,首が異常にしなって負傷します。

 車両にはむちうち防止のためにヘッドレストが設置されていますが,ヘッドレストでは完全には首がしなることを防ぎきれませんので,ヘッドレストを設置していても負傷するケースはたくさんあります。

 また,急ブレーキを踏んだり,前方の車両に衝突するなどすると,頭部は前方に進もうとしますが,車両はその場にとどまろうとするため,首が異常にしなります。

 一時期は,交通事故によりむちうちにはならないと主張されることもありましたが,今では,そのような主張がされることはほとんどなくなりました。

傷病名

 中には,むちうちを傷病名と誤認している方もいますが,むちうちは傷病名ではありません。

 むちうちの傷病名は,頸椎捻挫,頚部挫傷,外傷性頸部症候群などです。

 頸椎捻挫,頚部挫傷,外傷性頸部症候群については,あまり区別されずに使用されていることが多いようです。

 交通事故により頸部痛を抱えるようになった方々の診断書を見ると,頸椎捻挫,頚部挫傷,外傷性頸部症候群のいずれもが使用されていることがわかります。

 

 むちうちについて詳しく知りたい方は日本整形外科学会のホームページもご覧ください。

 

 外傷性頸部症候群について詳しく知りたい方も日本整形外科学会のホームページをご覧ください。

後遺障害等級認定がされる可能性

 むちうちについては後遺障害等級認定はされないと誤解している方もいますが,後遺障害等級認定がされることも多いです。

 後遺障害等級としては,14級9号,12級13号が認定される可能性があります。

 14級9号は,局部に神経症状を残すもの,12級13号は局部に頑固な神経症状を残すものとされています。

 これだけ見ると,14級9号が認定されるか,それとも12級13号が認定されるかは,その症状が頑固なものかどうかによるように見えます。

 実際には,14級9号と12級13号の区別は,神経症状が頑固かどうかによって区別されているわけではありません。

 両者の違いは,神経症状が医学的に証明できるか,それとも医学的に説明できるにとどまるか,によって行われており,具体的には主に他覚的所見があるかどうかによって区別されています。

 むちうちについて,12級13号が認定されることは少ないですが,14級9号が認定されることは比較的多いといってよいと思います。

認められる治療期間

 むちうちの治療期間は,おおむね半年程度以内が目安と言われることがあります。

 医師や保険会社の担当者によっては,半年以上は認められないということもあります。

 事故の大きさや症状の軽減状況等によっては,半年以上の治療期間が認められることがあり,中には1年以上の長期間の治療が認められることもありますので,半年というのはあくまで目安にすぎません。

 治療期間がどの程度認められるかは,明確な基準があるわけではありません。

 車両の損傷状況,治療内容,症状の軽減状況,事故時の体勢や老若男女の別等,様々な事情が考慮されます。

 適切な治療期間について交渉等する場合には,上記のような考慮要素について明らかとなる資料を収集して行うと,よい結果が出やすいといえます。

後遺障害等級認定を獲得するために必要な通院期間

 むちうちで後遺障害等級認定を獲得するためには,少なくとも半年間以上通院しなければならないといわれることがあります。

 特にそのような法律があるわけではありませんが,多数申請してきた経験から,やはり少なくとも半年は通院していなければ後遺障害等級認定が得られないと感じます。

 ただ,半年間通院しさえすれば後遺障害等級認定が得られるというわけではありません。

 事故状況,治療経過等によりそれ以上の期間(場合によっては1年以上)通院しなければ後遺障害等級認定が得られないということもあります。

 一概にこういう状況なら何か月,ということはできませんので,個別具体的な事情をもとに弁護士にご相談されるのがよいと思います。

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